Lesson10-3 フランスのワイン(3)

ロワール、アルザス、コート・デュ・ローヌ

ロワール

イラスト:緑色の地域

ロワール地方は、フランス西部に位置し、ロワール川流域に広がる地方です。
その美しい景観から「フランスの庭」とも呼ばれています。

ロワール地方は4つの地域から構成され、それぞれ個性のあるワインを生み出しています。

豊富な農産物に恵まれた地域で、川魚やジビエ肉、キノコなども採れる美食の宝庫であるためか、ワインもフレッシュで爽やかなタイプのものが多いのが特徴
ロゼワインの生産も盛んで、さらにビオワインの生産者も多いことで知られています。

ペイ・ナンテ地区

主に「ミュスカデ」を使用した、軽やかでフレッシュな辛口白ワインを醸造しています。
この地域での生産は白ワインのみ。
「シュール・リー」という、ワイン発酵後に澱引きをせず、澱とワインを一緒にタンクで熟成させる製法で醸造しているのが特徴です。

※ミュスカデ:白ブドウ品種。穏やかな酸味でニュートラルな味わい。青リンゴ、干し草のアロマがある

アンジュー&ソミュール地区

カベルネ・フラン」の赤ワインと、「シュナン・ブラン」の貴腐ワイン「コトー・デュ・レーヨン」、そして甘口のロゼワイン「ロゼ・ダンジュー」が有名
ロゼ・ダンジューは、フランスの三大ロゼワインの一つでもあります。

ロゼワインはその他、「カベルネ・ダンジュー」「カベルネ・ド・ソーミュール」「ロゼ・ド・ロワール」などが生産されています。

トゥーレーヌ地区

この地域では気候の影響により、さまざまなブドウ品種(シュナン・ブラン、シャルドネ、カベルネ・フランなど)が栽培されています。
赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインが製造され、特にスパークリングワインの「ヴーヴレー」が有名

サントル・ニヴェルネ地区

ソーヴィニヨン・ブラン」の白ワイン造りが盛んにおこなわれています。
辛口タイプの爽やかな白ワインが多いのが特徴です。

アルザス

イラスト:オレンジ色の地域

アルザスはフランスの北東部に位置し、ライン川を挟んだドイツとの国境沿いにある地域です。

アルザスで生産されるワインの90%以上が白ワインで、オーガニックワインを造る生産者も目立ちます。

ドイツに近いため、冷涼な気候や土壌の質が似ていて、ドイツと同じブドウ品種を使った白ワインを醸造していますが、ドイツの白ワインは主に甘口であるのに対し、アルザスでは辛口が主流

アルザスの最高格付けである「アルザス・グラン・クリュ」は、いくつか規定がありますが、ブドウ品種では4品種の単一ワインしか認められていません。

辛口白ワインが主流ではありますが、遅摘みの糖度が高いブドウから造る甘口の白ワイン「ヴァンダンジュ・タルディヴ」などもあります。

コート・デュ・ローヌ

イラスト:黄色の地域

コート・デュ・ローヌは、フランスの南東部、ローヌ川の両岸に広がる地域です。

南北に長い地域のため、北部と南部では特徴の異なるワインが生産されています。

ローヌ北部

北部は単一ワインが多く、シラー」の赤ワインや「ヴィオニエ」の辛口白ワインなどが生産されています。

特にこの地域のシラーの赤ワインはすばらしく、世界でもっとも優れたシラーワインの一つとされています。
北部の中でも「コート・ロティ」「エルミタージュ」などの地域が有名。

北部では珍しい白ワインも生産されていて、収穫したブドウを6週間以上ワラの上で乾燥させてから発酵する「ヴァン・ド・パイユ」という甘口白ワインがあります。
別名、わらワインとも呼ばれます。

ローヌ南部

ローヌ南部は北部と異なり、数種類の品種をブレンドして造る果実味豊かな赤ワインが一般的です。

南部にはコート・デュ・ローヌでもよく知られている「シャトーヌフ・デュ・パプ」があり、ここはローマ教皇のゆかりの地でもあります。

シャトーヌフ・デュ・パプの赤ワインは「グルナッシュ」を主体として多いもので13品種ものブドウをブレンドして造られます。
13品種のうち、黒ブドウがグルナッシュ、シラー、ムールヴェードルなど8品種、白ブドウが5品種となっていますが、生産者によって、どのブドウを使うかは異なります。

ローヌ地方のこのブレンドのことを、「ローヌブレンド」、または主要3品目(Grenache、Syrah、Mourvèdre)の頭文字を取って「GSMブレンド」と呼ばれます。

南部は「ミストラル」という乾燥した風が冬〜春に吹き、そのおかげでブドウが病気にかかりにくく、ビオワインの生産者も多いのが特徴です。


次の章は「シャンパーニュ」「南フランス」についてです。