Lesson15-2 イタリア/ドイツ/スペインのワイン法

イタリアワインの格付け

イタリアのワイン法ができたのはフランスよりも遅く、1963年のこと。
イタリアワインは生産地によって、カテゴリーが分類されています。

2009年にはEUの新ワイン法によりイタリアの格付けも新しくなりましたが、旧格付けの表示も認められています。
まずは旧格付けから見ていきましょう。

旧格付け

上から、

  • DOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita/デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロラータ・エ・ガランティータ/保証付原産地統制名称ワイン):
    イタリアの最高級ワインを産出する地域。ブドウは地域の地場品種を使うなど、細かな規定がある。
  • DOC(Denominazione di Origine Controllata /デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロラータ/原産地統制名称ワイン):
    規定されたブドウの使用と、一定以上の品質が求められる。
  • IGT(Indicazione Geografica Tipica /インディカツィオーネ・ジェオグラフィカ・プロテッタ/地理的生産地表示ワイン):
    DOCよりも大きく区分された地域で造られたワイン。イタリア原産のブドウではなく、フランス原産などの国際品種を使ったワインはこのカテゴリーに入る。
    Lesson10-5でも学んだ「スーパートスカーナ」はこのカテゴリー以下となる。このように、中には人気が高く品質の高いワインも見かけられる。
  • Vdt(Vino da Tavola テーブルワイン):
    生産地の表示なし。このカテゴリーで質の高いワインを造る生産者もいる。

新格付け

イタリアの新格付けは、フランスと同じように3つのカテゴリーに分類されます。

上から

  • DOP (Vino a Denominazione di Origine Protetta 原産地呼称保護ワイン):
    旧格付けのDOCG、DOCがこのカテゴリーに当たる。
  • IGP (Vino a Indicazione Geografica Protetta 地理的表示保護ワイン)
  • Vino(地理的表示なしのワイン)

ドイツワインの格付け

Lesson11-1でも学んだとおり、ドイツワインは糖度が重要です。

旧格付けでは4つのカテゴリーに分類され、一番上のカテゴリーであるPrädikatsweinの中でさらに糖度の高さにより6つのカテゴリーに分けられます。

  • Prädikatswein(プレディカーツヴァイン /生産地限定肩書き付き上質ワイン):
    ドイツワインで最上級のワイン。厳しい基準をクリアし、補糖は禁止されている。
  • Q.b.A (Qualitätswein bestimmter Anbaugebiete /クオリテーツヴァイン・ベシュティムター・アンバウゲビーテ/生産地限定上質ワイン):
    認可されている地域内で栽培されたブドウのみを使って造られたワイン
  • Landwein (ラントヴァイン/地酒):
    指定された生産地で造られたワイン。甘口のものが多い。
  • Deutscher Tafelwein(ドイチャー・ターフェルヴァイン/テーブルワイン):
    生産地の記載はなく、ドイツ産のブドウのみで造られたワイン。

上記のカテゴリーに加え、2000年には辛口ワインのグレードである「クラシック」と「セレクション」が制定されました。
クラシックはQ.b.Aの地域で造られた高品質の辛口ワインですが、セレクションはさらにグレードが高く、クラシックよりも厳格な規定(単一畑のブドウのみ使用、手詰み収穫、熟成期間、ブドウの糖度など)があります。

なお、新格付けでは上からgu(保護伝統表記付きワイン)、Landwein(指定地域の地酒ワイン)、Deutscher Wein(地理的表示なしワイン)と3つのカテゴリーに分類されています。

Prädikatswein

  • Trockenbeerenauslese(トロッケンベーレンアウスレーゼ):
    糖度が高い貴腐ブドウを用いて造られる極甘口ワイン。希少性が非常に高い。
  • Eiswein(アイスヴァイン):凍ったブドウを収穫して造るワイン。極甘口ワイン。
  • Beerenauslese(ベーレンアウスレーゼ):
    過熟したブドウか貴腐ブドウから造るワイン。ハーフボトルで販売される。
  • Auslese(アウスレーゼ):完熟のブドウから造られるワイン。
  • Spätlese(シュペートレーゼ):収穫時期を遅らせて、遅摘みのブドウから造られるワイン。
  • Kabinett(カビネット):糖度が低いブドウから造られる。ライトボディのものが多い。

スペインワインの格付け

スペインワインは6つのカテゴリーに分類されます。

  • VP(Vino de Pago/ビノ・デ・パゴ):
    単一のブドウ畑で栽培されるブドウから造られたワインの中でも、特に高品質のワイン。
  • DOCa(Denominacion de Origen Calificada デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ):
    厳しい生産基準を設けている地域で造られたワイン。2019年の時点ではリオハとプリオラートの2地域のみ。
  • DO(Denominacion de Origen デノミナシオン・デ・オリヘン):
    地域内で栽培された認可種を使い、さらに厳しい品質基準で造られたワイン。
    60ヶ所以上の地域が認められている。
  • VCIG(Vino de Calidad con Indicacion Geografica/ヴィノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・へオグラフィカ):
    地域名称つきワイン。特定の地域で生産されたもので、高品質のワインも多い。
  • Vino de la Tierra(ヴィノ・デ・ラ・ティエラ):より広範囲で造られるワイン。地酒。
  • Vino de Mesa(ヴィノ・デ・メサ):テーブルワイン。産地の表示はなし。

旧世界の主な国々の、ワイン法について解説しました。

ワイン法は、粗悪品や偽物からワインを保護するためにつくられたものですが、消費者にとってはワインを購入するときの良い参考になります。

ただし、前ページでもお伝えしたとおり、必ずしも品質が格付けに見合うとは限りません。
ブドウの良し悪しや、造り手の世代交代などによって、ワインの品質は変化するからです。

格付けと合わせて専門家の評価も参考にすると、より確かなワインに出会えるでしょう。