スパークリングワインの製造方法

前ページではロゼワインの醸造方法について学びました。
ロゼワイン造りにはセニエ法、直接圧搾法、混醸法の3つの醸造方法があり、それぞれ色味や味わいが異なることがわかりましたね。
Lesson3の最後は、スパークリングワインの醸造方法について学びましょう。
スパークリングワインの醸造方法は、主に5通りあり、国や地域によってそれぞれ醸造方法が異なります。
それぞれの醸造方法について、特徴を簡単にまとめました。
トラディショナル方式
アルコール発酵後、瓶内で二次発酵させる醸造方法。
フランスの「シャンパーニュ」、スペインの「カヴァ」などがこの方法で造られます。
メトード・リュラル
アルコール発酵後、瓶内で二次発酵させ、発酵の途中で瓶詰めし、残りの二次発酵を瓶内でおこなう醸造方法です。南フランスで造られる「ガイヤック」、「ブランケット」がこの方法で醸造されます。
トランスファー方式
アルコール発酵後、瓶内で二次発酵させ、タンクで熟成させる醸造方法です。
ドイツの「ゼクト」がこの方法で醸造されています。
シャルマ方式
アルコール発酵後、タンク内で二次発酵させる醸造方法。
イタリアの「スプマンテ」がこの方法で醸造されています。
スパークリングワインを大量生産できる醸造方法です。
炭酸ガス注入方式
アルコール発酵後、熟成させてから炭酸ガスをワインに直接注入する方法です。
比較的安価なスパークリングワインは、この方法で造られています。

ここではシャンパーニュの醸造方法である「トラディショナル方式」を取り上げ、その工程を細かく追っていきましょう。
トラディショナル方式
アルコール発酵までは、白ワインの醸造方法と基本は同じです。
ブドウの収穫後、除梗・破砕はせずにブドウをそのまま圧搾して果汁を絞り、アルコール発酵させます。
アッサンブラージュ
ワインの圧搾は通常、ブドウの品種別や区画別におこなわれ、それぞれ別にアルコール発酵させていきます。
その原酒を混ぜ合わせていくことを「アッサンブラージュ」と言います。
造り手によっては何種類ものワインをブレンドするところもあります。
瓶詰め
ブレンドしたワインを瓶詰めし、酵母と糖液を加えます。
瓶内二次発酵
瓶を密閉し、ワインを瓶内二次発酵。
発生した炭酸ガスはワインの中に溶け、ここで発泡性ワインとなります。
熟成・ルミアージュ(動瓶)
二次発酵後は、瓶内で熟成期間に入ります。熟成期間は15ヵ月以上。
澱をボトルネックのところに集めるために、毎日瓶をゆっくり回転させ、徐々に垂直に立てていきます。この瓶を動かす作業を「ルミアージュ」と言います。
以前は全て手作業だったルミアージュも機械化が進み、現在では手作業は減りつつあるようです。

デゴルジュマン(澱抜き)
瓶口をマイナス20℃で凍らせてから栓を抜き、ボトルネックに溜まった澱を飛び出させます。
この澱抜き作業を「デゴルジュマン」と言いますが、澱を効率よく取り除ける方法です。
ドサージュ
澱抜きをすると瓶内のワインが減り、さらにワインがとても辛口の状態になっています。
これを補うために、糖分入りのリキュールを少量添加。
この作業を「ドサージュ」と言います。
補充するリキュールはワインの原液に糖分を加えたもので、このリキュールを「門出のリキュール」と呼びます。
門出のリキュールに含まれる糖分の量によって、スパークリングワインがどの程度の甘みになるか決まります。
スパークリングワインの醸造方法について学びました。
スパークリングワインの造り方は、国や地域によってさまざまです。
有名なシャンパーニュやカヴァを醸造する「トラディショナル方式」では、
アッサンブラージュや瓶内二次発酵、ルミアージュ、デゴルジュマンなど、
赤ワイン・白ワイン以上に手間がかかる工程がありました。
トラディショナル方式の醸造方法を知ると、シャンパーニュが高価なのも多少は頷けるのではないでしょうか。
(もっとも、シャンパーニュの価格が高いのはブランド的価値が高いためでもありますが)
Lesson3では4回にわたり、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインの製造についてまとめてきました。
「どうしてワインには赤と白の違いがあるのか?」
「どうしてロゼワインはピンクなのか?」
「どうしてスパークリングワインには炭酸が含まれているのか?」
醸造方法を知ることで、これまでの謎が少しずつ溶けてきたことと思います。
次のLesson4では、「おいしいワイン」について学びます。