Lesson3-1 赤ワインができるまで

赤ワインの製造方法

Lesson3では、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインの醸造方法について学びます。
ワイン造りの基本はブドウの発酵と熟成ですが、ワインの種類によって少しずつ工程が異なります。

この章では、赤ワインの製造方法をお伝えします。

赤ワインは、果汁と一緒に果皮や種子なども漬け込んで発酵させるワインです。
ブドウの収穫から、できあがったワインの出荷まで、順を追って確認していきましょう。

1.収穫、選果

まずは、赤ワインの原料である黒ブドウを収穫。
潰れているものや傷んでいるものなどがありますので、収穫後に粒の選果もおこなわれます。

2.除梗(じょこう)、破砕

【除梗】
醸造工程に入る前に、ブドウの房から粒を取り、果梗(ブドウのヘタと柄)を取り除いていきます。
一部のワイナリーでは、ワインにストラクチャー(骨格)をつけるために
あえて果梗を残して醸造に入る
ところもあるようです。

【破砕】
ブドウの果汁を絞り出すために、果皮ごと軽く潰します。

※機械作業により、除梗と破砕はほぼ同時に進行。

フランス語では、除梗を「エグラパージュ」、破砕を「フーラージュ」と言います。

3.アルコール発酵、醸し

潰したブドウと果汁をタンクの中で一緒に漬け込み、果皮の色素を果汁に移し、発酵させていきます。
一緒に漬け込んで色素成分(アントシアニン)、渋み成分(タンニン)、香気成分を抽出することを「醸し」と言い、醸しはフランス語で「マセラシオン」です。マセラシオンの期間は2〜3週間ほど。

発酵させるときには、酵母を加えて発酵を促進。
発酵が進むほどワインの中の糖分が分解され、エチルアルコールと二酸化炭素に分解され、高アルコールになっていきます。

果皮、果肉、種子が表面に浮き上がってきてしまうので、果汁の中に押し混ぜる「櫂入れ(かいいれ)」という作業を手作業でおこないます。
「櫂入れ」はフランス語で「ピジャージュ」。

またポンプなどでタンク内のワインを循環させ、発酵をムラなくさせる作業もおこないますが、
これはフランス語で「ルモンタージュ」と言います。

ピジャージュとルモンタージュをおこなうことで、効果的にタンニンや色素の抽出ができるのです。

4.圧搾

マセラシオンが終わると、ワインをタンクの下部から抜き取っていきます。
加圧する前に自然に出てくるこのワインは、エグ味のない良質なワイン(フリーラン・ワイン)になり、残りは圧搾機にかけて圧を入れ、果汁と、果皮や種子などの固形物を分離します。

圧搾機によって搾り取られたこのワイン(プレス・ワイン)は、タンニンや色素を多く含み、加圧する前に抜き取られたワインとは区別されます。

5.マロラクティック発酵

長期熟成をさせる場合は、二次発酵(マロラクティック発酵)をさせます。

マロラクティック発酵は、赤ワインに味の厚みを出し、細菌に対する安定性を与えるための発酵。
乳酸菌の働きにより、ワインの酸味がまろやかになります。

6.熟成

発酵が終わると、次は熟成。
ワインをタンクや樽の中に入れて熟成させることで、ワインを落ち着かせていきます。
ワインの色味が安定し、味も複雑に変化。

樽で熟成させることで、ワインに樽由来の風味や香りが加わっていきます。
一方で、ステンレスタンクでの熟成の場合は、フレッシュさのあるワインになります。

7.澱引き(おりひき)

熟成期間が長くなると、タンクや樽の底に沈殿物(澱)が溜まるので、この澱を取り除き(澱引き)、ワインをきれいにします。

ここで、雑菌の繁殖を防ぎデリケートなワインの質を保つために「亜硫酸塩」を少量加えます。
亜硫酸塩は、昔からワイン造りには欠かせないものです。

8.清澄(せいちょう)、ろ過

タンパク質の吸着剤である清澄剤を使用して、ワインの澱や浮遊物を取り除き、濁りをなくして透明度高くクリアします。
タンパク質の吸着剤は、ゼラチンや卵白などです。

さらに、ろ過作業によってワイン中の微生物や不純物なども取り除いていきます。

※ろ過をすることでワインの味に大切な成分も取り除いてしまうため、近年は、それを避けるために無ろ過のワインもあります。

9.瓶詰め

清澄・ろ過作業が終わると、次は瓶詰め。
瓶詰めは、ワインの酸化を防ぐために注入機(フィラー)で窒素ガスを流し入れ、酸素を抜いてから注入します。
コルクやキャップで栓をし、ラベルを貼って終了です。

瓶詰め後のワインはまだ状態が不安定。
そのため、ワインによってはさらに瓶熟成をさせてから出荷する場合もあります。


赤ワインの醸造方法について学びました。
発酵や熟成など、おいしいワインを造るためには一定の時間が必要なことがわかったのではないでしょうか。

赤ワイン造りでの特徴は、果汁とともに果皮や種子を一緒に発酵させ、マセラシオンをさせることです。
この作業により、美しい赤い色合いと、赤ワインらしい渋み、そしてブドウの香りが引き出されるのです。

次の章では、白ワインの醸造方法を学びます。赤ワインの醸造方法とはどのような違いがあるのでしょうか。