Lesson14-1 日本のワイン(1)

日本のワイン事情

日本のワイン生産量は、全世界の中で約30位。
アジア地域では中国に次ぐ生産量とはいえ、まだまだ伸びしろのあるワイン生産国と言っていいでしょう。

しかし、日本酒や焼酎が愛飲される日本でも、近年はワイン産業でも目覚ましい発展を見ることができます。

このページでは、日本のワインについて解説していきます。

大陸から日本に入ってきた最初のブドウは、仏教徒が栽培していましたが、食用や薬などに用いられワインになることはありませんでした。

ちなみに、新しいもの好きで有名な織田信長が、日本人で初めてワインを飲んだのではないかという説がありますが、定かではありません。
この頃、日本ではワインのことを「珍陀酒(ちんたしゅ)」と呼び、戦国武将の間で愛飲されていたとか。

日本で本格的にワイン造りが始まったのは、明治時代のこと。
しかし、現代のワインとは異なり、甘くてジュースのような葡萄酒でした。
現在親しまれているような辛口ワインの味になってきたのはここ数十年のことです。

日本では1970年代に酒類の輸入が自由化されたことから、国内には日本のワインよりも外国のワインが先に出回るようになりました。
初めて飲んだのはヨーロッパのワインで、日本のワインは最近飲み始めたという人も珍しくないでしょう。

これまで日本では、ヨーロッパで産出されるようなおいしいワインを造ることができませんでした。
それはやはり、気候や土壌の条件がブドウの栽培に適さないからです。

ブドウの生育期間が梅雨になってしまう日本は、ヨーロッパの気候条件に比べるとどうしても不利なのです。

他の新世界の国々と同じように、フランスのワインを目指した日本でも、1990年代以降はフランスへ留学してワイン造りを学ぶ人もいました。

しかし、気候も土壌も風土も異なるヨーロッパのワイン造りを目指そうとしても、意味がないことに気がつくことになります。
そこで近年では、国内の地域の気候や土壌を生かしたワイン造りが推進されるようになりました。

日本ワインと国産ワイン

日本のワインのボトルに「日本ワイン」、国内生産にもかかわらず「輸入ワイン」と記載されているのを見たことがあるでしょうか。

Lesson15で詳しく学びますが、ヨーロッパには「ワイン法」というものがあり、
国や地域でワイン造りのルールが明確に決められています。

しかし、日本にはここ最近までワイン法のようなものがなく、はっきりしたルールがなかったのが実情です。
他の食品などでもよく見受けられるように、
ワインも海外から輸入したブドウやブドウ果汁を使って国内で醸造されるものがあり、
ブドウの栽培から国内で一貫しておこなわれているものと区別をすることができませんでした。

近年、国内でワイナリーが増え、高品質のワインも生み出されるようになったことから、
日本ワインの地位を築くためにもしっかりとしたルールが必要になりました。

そこで、2018年に新たな表示ルールが施工されました。

  • 日本ワイン・・・日本国内で栽培されたブドウを原料とし、国内で製造されたワイン。ラベルに「日本ワイン」と表示される。
  • 国産ワイン・・・海外から輸入したブドウや果汁を使って、国内で製造されたワイン。ラベルに「輸入ワイン」などど表示される。

日本のワインを手に取ったら、日本ワインなのか、国産ワインなのか、チェックしてみましょう。


今回は日本のワインの歴史や、ラベルの表示ルールについて解説しました。

次のページでは、日本を代表するワイン産地や、日本の固有品種について学びましょう。