ワインの始まりは紀元前
ワインの歴史は想像以上に古く、遡ること紀元前です。
ワインはいつ、どこで生まれたのでしょうか。

ワインを親しむ多くの人は、ワインの発祥はヨーロッパだと思っているかもしれません。
実は、ワインの発祥は、現在のジョージアがあるコーカサス地方と言われています。
発祥の時期は紀元前6000年ごろで、周辺の遺跡からワインの醸造に関する出土品が見つかっています。
この頃、日本はまだ縄文時代。
ワインの醸造は今から8000年以上も前から現代まで、絶え間なくずっと行われていることになるのです。
紀元前4500年ごろからは、現在のトルコがあるアナトリア地方、
紀元前4000年ごろからはアルメニアがワイン造りを始めました。
アルメニアには、これまで発見された中では世界最古の醸造所の痕跡が見つかっています。

つまり、ワインはヨーロッパではなく、意外なことに黒海沿岸で生まれたということになるのです。

現代では最もワイン造りが盛んなヨーロッパで最初にワイン造りが始まったのは、ギリシャでした。
紀元前3000年頃のことです。
ギリシャには世界最古の足踏み式破砕器が見つかっています。
ブドウ栽培とワインの醸造技術を最初に地中海沿岸地域に広めたのが、ギリシャ人でした。
紀元前1100年以降、スペイン、ポルトガル、イタリアなど、
現在では世界でも有数の生産量を誇るヨーロッパの国々で、次々にワイン造りが始まっていきます。
現在のワイン王国フランスでワイン造りが始まったのは、紀元前600年ごろのこと。
フランスにブドウの樹を最初に植えたのは、ギリシャ人でした。
フランスのワインはその後、キリスト教と密接に関わりながら発展していきます。

紀元前300年ごろ、ローマ人による征服が始まると、ワインもそれと共にヨーロッパ全土へ広がっていきます。
オーストリア、スイス、イングランド、ドイツなどの国々でも始まり、
500年ごろまでにはヨーロッパの多くの地域でワイン造りが始まりました。
アジアでは紀元前200年頃に、中国でワイン造りが始まっています。

1400年中頃になると、大航海時代の到来とともに
ワインはアメリカ合衆国や南米を中心に広がり、ワインの製造技術が世界に伝播しました。

1700年以降には、ウォッカの消費量が多いロシア、近年ワイン生産の発展がめざましいニュージーランドなどの国がワイン造りを開始。
日本もようやく1874年に醸造を始めています。
ワインが日本に初めて渡ったのは、1549年。
ポルトガルの宣教師であるフランシスコ・ザビエルが、薩摩の大名にワインを献上したのが日本で最初のワインです。
しかし、本格的にワインが日本に入ってきたのは幕末から明治にかけてです。
大久保利通がフランスから帰国後、日本でワインの醸造を推進し始めます。
今でこそワイン造りが盛んにおこなわれるようになった日本ですが、
ワイン造りの始まりは世界でも最も遅い国の一つだったのです。

この頃、フランスでは害虫フィロキセラが発生し、ブドウの樹が次々と枯れてしまうという大被害に見舞われてしまいます。
これにより、多くの歴史あるワイナリーがなくなりました。
ワインの歴史が長い国々(フランス、スペイン、イタリア、ドイツなどのヨーロッパ諸国)を旧世界、
ワインの歴史が浅い国々(アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南米、日本など)を新世界と呼びます。
ワインには長い歴史があり、さまざまなできごとや人々の動きとともに世界に広がっていったことがわかりましたね。
歴史を知ると、ワインがいっそう味わい深く感じるのではないでしょうか。
ワインを飲むときは、ワインの歴史に思いを馳せてみてください。
次のページでは、ワインの種類について学びます。